第四話

6月度のコラム担当 藤原宗孝です。宜しくお願いします。

剣道の始まり

私は3歳の時に父と姉と散歩をしていた。父の誘導なのか偶然なのか公民館に辿り着きそこで初めて剣道と出会った。
しばらく見学させてもらって家に帰り、厳しい父から「宗孝、今欲しいものはあるか?」と尋ねられ、「トランシーバーが欲しい」と答えた記憶がある。
父はとても剣道が気に入り「トランシーバー買ってあげるから剣道してみないか?」 と子供心を揺さぶる問いに、私は「入る」と即座に答えて私の剣道人生が始まった。

初めの頃は先生と仲間と鬼ごっこ、かけっこ等体力づくりがメインで、トランシーバーを買ってもらうのも忘れるぐらい楽しい日々がしばらく続いた。しかしそうは甘くなかった。

年齢が大きくなるにつれ、先生からの指導も厳しくなり稽古量も増えて挫折しそうな時もあったが、仲間もたくさんいたので何とか耐える事が出来た。
毎日欠かさなかったのは朝5時 30分に起きて6時から始まる稲垣先生の家の前での素振りの稽古、夜寝る前に30分程度の素振り・打ち込みの自主練習は小学校卒業するまで続けた。
そのせいか高学年になると自信が付き負ける気はしなかった。
大会でも入賞回数は増えていった。

一ツ木剣道クラブの誓いの言葉の一つに「努力と忍耐に努める事」がある。これからの人生も誓いの言葉に恥じぬように努力していきたい。