第八話

10月のコラムを担当させていただきます宮田と申します。よろしくお願いいたします。

私は東京都で生まれ、埼玉県で育ちました。ご縁があり、愛知県で暮らして20年ほどになります。一ツ木でお世話になる以前の剣道の経験は、主に埼玉で積ませていただいたものです。
剣道との出会いは小学2年生の頃。兄と一緒に始めました。夜の暗い学校で、体育館だけに稽古の為の明かりが灯っている、、、。その光景を思い出すと今だに身震いする程に、稽古が怖かったのを憶えています。けれど、それ以上に、稽古で出し切った後の黙想での凛とした空気感が大好きでした。(稽古から解放された安堵感?もあったかもしれませんが、、、今も大好きです。)

さて、私が剣道を通して子どもたちにぜひ身につけてほしいと思うことがあります。それは、「大きな声」「挨拶(あいさつ)」「返事」です。
一見するとごく当たり前のことですが、このご時世、しっかりできる人が少なくなってきているように感じます。だからこそ、この3つが自然にできるだけで、周囲に良い印象を与え、「何か違うな」と目に留まりやすくなります。経験上、それがチャンスや良いご縁を引き寄せる力になるのだと、私は実感しています。特別な才能のない私が、ボストンバッグ一つで愛知に来て、今こうして幸せな生活をおくれているのも、このスキル「処世術」があったからこそだと思っています。
社会においても、日常生活の中でも、

「元気に挨拶ができる人」

「名前は知らなくても返事が気持ちよい人」

「堂々とした態度で話すことができる人」

こんな風に誰かの記憶に留まることができればしめたもので、そこから良い機会チャンスが生まれ、人と人とのつながりが良い方向へ広がっていくのだと思います。だからこそ、子どもたちにはぜひ「大きな声」「挨拶」「返事」をしっかりと身につけてほしいと、強く願っています。

最後になりますが、日頃ご指導くださる先生方、道場に通う子どもたち、そして支えてくださる保護者の皆さまに、心より感謝申し上げます。おかげさまで、私自身もまだまだ成長できると実感する日々です。

また、私事ではありますが、皆さまのご指導のもと、娘たち3人も、剣道を通して普通には得がたい経験や、通常の生活では見ることのできない景色を味わいながら、活発に育っております。
現在、私は動脈解離を患っており、しばらく稽古には参加できない日々が続いておりますが、今後とも父子ともども、どうぞ変わらぬご指導のほどよろしくお願い申し上げます。